「自然素材住宅とは?」でもご説明したとおり、シックハウス症候群や化学物質過敏症は住宅環境が原因になっていると言われています。その他、ぜんそくやアトピー、鼻炎などのアレルギー症状も住まいが原因となって引き起こされるケースもあります。こちらでは、住まいが原因となって引き起こされる症状をまとめていますので、ぜひご一読ください。
シックハウス症候群とは、建材から発生する揮発性化学物質(ホルムアルデヒドなど)が原因で、頭痛や鼻炎、皮膚炎やぜんそく、アトピーなどのアレルギー諸症状を引き起こす病気のこと。もともとは、欧米で1980年代に問題となった「シックビルディング症候群」からきており、シックハウス症候群も同様の症状が起こります。
WHO(世界保健機関)によるシックビルディング症候群の定義
- 1 目、特に眼球結膜、鼻粘膜、および、のどの粘膜への刺激。
- 2 唇などの粘膜が乾燥する。
- 3 皮膚の紅斑、じんま疹、湿疹がでる。
- 4 疲労を感じやすい。
- 5 頭痛、気道の病気に感染しやすい。
- 6 息が詰まる感じや気道がぜいぜい音を出す。
- 7 非特異的な過敏症になる。
- 8 めまい・吐き気・嘔吐を繰り返す。
また、2000年に厚生労働省から出された「室内空気汚染問題に関する検討会の中間報告書(第1回-第3回)」には、「シックハウス/シックハウス症候群/シックビルディング症候群」について記載されています。
住宅の高気密化や化学物質を放散する建材・内装材の使用などにより、新築・改築後の住宅やビルにおいて、化学物質による室内空気汚染などにより、居住者の様々な体調不良が生じている状態が、数多く報告されている。症状が多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解明な部分が多く、また様々な複合要因が考えられることから、シックハウス症候群と呼ばれる。
最近の住宅は高気密・高断熱を重視するあまり、住まい全体の換気・調湿がうまくいかず、湿気と結露でカビが繁殖してしまうケースが多々あります。そのため、カビの胞子が原因でぜんそくやアレルギー諸症状が発症・悪化するケースもありますし、肺炎などの健康障害を引き起こす場合もあります。また、アトピーは空気中に浮遊しているコナヒョウダニの死骸が主な原因とされており、そのダニは室内の湿度が70%以上になると異常繁殖します。
化学物質 | 建材 | 人体への影響 |
---|---|---|
ホルムアルデヒド | 合板・壁紙・建築用接着剤・壁紙用接着剤 | 発がん性あり アトピー・ぜんそく・アレルギー症状 |
有機リン化学物質 | 難燃壁紙・シロアリ駆除剤・防ダニ加工・合板の防虫剤 | 発がん性あり 遅発性神経毒性・頭痛・倦怠感・発汗・下痢、胸部圧迫感・筋萎縮・視力低下 |
有機溶剤 | 塗料・接着剤・シロアリ駆除剤・ビニールクロス | 発がん性あり 中毒・目鼻の刺激・吐き気・皮膚炎 中枢神経障害 |
フタル酸化合物 | 壁紙の接着剤・塗料 | 発がん性あり ホルモン異常・生殖異常・胃腸障害・中枢神経障害・麻痺・下痢・嘔吐 |
有機塩素 | ビニールクロスの素材 | 脳腫瘍・肝臓ガン・肺ガン・乳ガン・めまい・リンパ腫・手足のしびれ |
防腐処理木材・合板の防虫剤 | 腫瘍・白血病・胎児の奇形・皮膚障害・肝臓障害・食欲不振・多量発汗・不眠・倦怠感 |